幸せなキャリアは皆ユニークである

トルストイの長編小説の「アンナ・カレーニナ(1875年)」(戦争と平和と並ぶ代表作)の冒頭の記述。

“All happy families are alike; each unhappy family is unhappy in its own way” 「幸せな家族は皆似通っている。不幸な家族は皆それぞれ独特に不幸である。」

Anna Karenina published by Modern Library (2000)

Peter Thielによればビジネスの世界はその逆。

“All happy companies are different in its own way; All unhappy companies are the same”「成功する企業は皆それぞれ独特の成功を遂げる。失敗する企業は皆似通っている。」

Bill GatesがMicrosoft OSを作ったが、それをマネて同じような成功をすることはできない。Larry PageとSergey BrinはGoogleのサーチ・エンジンを発明したが、それをマネて同じような成功をすることはできない。Mark ZuckerbergはFacebookでソーシャル・ネットワークを普及させたが、それをマネて同じような成功をすることはできない。

Peter Thielによれば上記の(幸せな)企業に共通しているのは、皆モノポリーであるという点。唯一無二の商品・サービス・ビジネスモデルを確立し、多くの競争にさらされないために巨大な利益を生み出している。逆に多くの(不幸な)企業に共通しているのは、皆熾烈な競争にさらされているという点。ミクロ経済の基本だが、熾烈の競争の果てには利益は何も残されない。

誰かのマネをするのではなく、誰もやっていない、誰も気づいていないような真実を見つけ、それらを追及することでしか突出した成果は挙げられないということのようだ。

キャリアにあてはめると、既に確立されているキャリア、誰もが考えるような道筋を盲目的に辿っていては突出した成果は挙げられないと解釈できる。Peter Thielの言葉になぞらえると、キャリアはユニークでないと幸せにはなれないということになる。

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