起業アイデアには4種類あるとされる。
左上:誰もが良いと思うようなアイデアで、本当に良いもの
左下:誰もが良いと思うようなアイデアだけど、実は悪いもの
右上:誰もが悪いと思うようなアイデアだけど、実は良いもの
右下:誰もが悪いと思うようなアイデアで、本当に悪いもの
左下と右下は結果的に悪いアイデアなので、リターンはない。
興味深いのは上の二つ。左上は誰もが良いと思うものなので、結果的に高いリターンは得られにくい。右上のその他大勢と意見が分かれたときにこそ突出したリターンが生まれる。
例えば、2009年から2016年の間、ブロックチェーンを利用したクリプトカレンシーが普及すると考えていた者はごく少数しかいない。早くからクリプトカレンシーの可能性を信じ、誰よりも早く投資していた者だけが2017年になって大きなリターンを生んでいる。逆にクリプトカレンシーが広く認知されてからクリプトカレンシーに投資をした者はリターンどころか大きな損失を被っている。
他の言い方をすると「少数派が多数派に変わる時」にこそ大きなリターンが眠っているとも言える。逆に多数派になった時点で大きなリターンは得られにくい。
著名投資家のPeter Thielが起業家に聞く有名な質問があるが、これも同じことを問うている。
“What important truth do very few people agree with you on?” 「あなただけが知っている、他の人が賛成しない大切な真実は何ですか?」
これをキャリアに当てはめて考えてみると、誰もが良いと思うようなキャリアや職業に就いても突出したリターン(金銭以外のものも含む)は得られないと読める。突出したリターンを得る上で、皆が決して賛同しないようなキャリアや職業に就くことが重要なのかもしれない。